studio FAVORI(スタジオ ファボリ) studio FAVORI(スタジオ ファボリ)では革製品・布製品を一から手作りし、販売しています。経年変化が楽しめることで人気のタンニンレザーで、バッグや財布、ペンケース、名刺入れ、パスケースなどの小物までシンプルなデザインでお作りしています。ギフトボックスやラッピングもご用意しているので、プレゼントにもおすすめです。

「手製本の革手帖」2026年版 受注のご案内

 

 

2025年の受注期間は9/20(土)~12/14(日)です。

ご注文後に制作(事前決済の場合は入金確認後から起算)、一週間ほどで発送いたします。

 

手製本の革手帖

各オーダーページはこちら↓

 

▽A5サイズ

手製本の革手帖(A5サイズ) 姫路レザー

 

 

▽A6サイズ

手製本の革手帖(A6サイズ) 姫路レザー

 

 

 

市販の手帳を使い続けてきて、年の暮れに見返したときにやっぱり今年もあまり書き込まなかったな、と毎回考えていました。

 

毎回、ということは、もともと私には最低限のシンプルな本文で事足りるということ。

それなら作ってしまおう。表紙は革で。本文には好きな紙を選りすぐって、必要な文だけのページ数で。

きっと同じ感性の人がいるであろうことを思いながら少しずつ進めてきました。

 

構想は昨年。2025年を迎えて間も無く着手し、試作して自分で使って何度も作り直しました。

1年以上の時を経て、ようやく「手製本の革手帖」を皆さまにお届けできる形になりました。

 

 

 

 

長く育てられる革表紙

 

 

普段から革を扱っていることもありますが、紙を綴じた冊子が革で包まれている古い洋書の装丁が好きで、そのインスピレーションから表紙は迷うことなく革に決まりました。

 

特有の耐久性の高さや経年変化の魅力を思うと“1年限り”はあり得ない、ということで、必然的に中紙を入れ替えて表紙はずっと使い続けられるようにという構成に辿り着きました。

 

使い始めの年を記録しておいて、「あれから何年使い続けているんだなあ」という楽しみ方をしていただけたらいいなと思い描いています。

 

 

 

 

革は定番の姫路レザー。

もともと含まれているオイル量がひかえめなので、重たい印象がなくどなたでも手に取りやすい革です。マットで自然体な質感が魅力。

 

お色はキナリ、チョコ、スミクロの3色。

 

キナリは染料を一切使わずに仕上げられた、いわゆる“生成り”。革本来の素に近い色味です。最も革らしく、経年による色艶の変化を感じていただけます。

チョコは甘さを抑えたトーンのブラウン。使うほど艶が出てダークなコクのある深い茶に変化します。

スミクロは最初はふわっとした印象ですが、経年変化で見違えるほどの艶を帯びます。やさしい黒はより漆黒に近づき、重厚な佇まいに。

 

 

 

 

 

 

ひと針ひと針、手製本の技法で綴じる

 

 

この手帖の構成の大きな鍵となるのが、手製本での仕上げ。

実用と見た目の美しさを兼ね備えた「コプティック製本」という製本技法を採用しました。

 

 

紀元2世紀から3世紀のエジプトで、コプト教徒と呼ばれる人々が聖書を閉じるのに使った「コプティック製本」という技法がある。見た目が美しく、機械製本には真似のできない手作り感のある技法で、海外の手製本作家の間では好んで用いられている。

 

かつては木の板を表紙に、羊皮紙を本文に作られていたこの技法。原始的なこの技法で作られた本には、聖書を守るための工夫や美しい装飾が随所に散りばめられている。通常、ハードカバー本は背がしっかりと固定されている。本を綴じるための麻糸に加えて、補強のための寒冷紗(かんれいしゃ)、開きを良くするためのクータと呼ばれる紙、厚紙などでガッチリ固められているのが通常だ。

 

ところが原始的な製本方法であるコプティック製本にはそれらの構造がほぼ存在しない。

ZOOM LIFE お気に入りの本に、新たな価値を。手製本の世界」より引用

 

 

コプティック製本はまず、“原始的”というのが良いです。

構造は複雑ではないのに非常に機能的で、見た目にも美しい。

 

 

 

 

手帳は書き込むという作業を快適にするため、開いたときにノド(見開きの中央部分)が平坦になることが重要です。

この製本技法であれば段差なく平らに冊子を開けるため、まさにその実用の点を実現できます。

 

 

 

 

綴じには麻糸を使用しているため、1年使い続けるための強度も不足ありません。

年の終わりに中紙を入れ替えるときは、複数個所糸をカットすればご自身で本文を取り外していただけます。

 

またコプティック製本は背「表紙」がなく、本文の背と綴じ糸が見える仕上がりになります。

綴じ糸はチェーン状になるため意匠としても美しく、まさに用の美と言えます。

 

 

 

 

 

 

ミニマルな本文デザイン

 

 

制作にあたって特に時間を要したのが、手帖としての役目を担う本文のデザインでした。

 

冒頭に書いたように、「手製本の革手帖」が生まれるきっかけとなったのは、自分自身にとって一般の手帳の内容が必要以上であったということ。

サンプルを作って使ってみた実感で最終的に残ったのが、カレンダーとマンスリー、フリーの3種でした。

 

 

 

 

ウィークリーやバーチカルなどは一切なし、気軽なメモ感覚で書き留めるイメージでカレンダーとマンスリーも余白たっぷり。

 

カレンダーとマンスリーは前年12月、翌年1月のページは無し。

フリーは全27ページです。

 

 

脱線しますが“手帳”と“手帖”では若干ニュアンスが違う解釈もあって、“手帳”は事務的に予定やタスク管理するための小冊子、“手帖”はよりパーソナルな記録や思いついたことなどを自由に書き付ける帳面と使い分けられたりもするようです。

 

この手帖には日々のスケジュールに限らず、良いことがあった日の落書きも買い物メモも、どうしようもないときの殴り書きも、持ち主の思うままに書き込んでもらえたらと想像しています。

 

表記のことなど多くの人にとっては些事だと思いますが、そんな風に考えてあえて後者を採用しました。

 

 

用紙にはNEUE GRAY/ノイエグレーという機能紙を採用させていただきました。

 

 

現代人のための、新しい機能紙。

 

NEUE GRAY(ノイエグレー)は、「新しいグレー」という意味を持つ、現代の価値観やライフスタイルにマッチする「新しい機能紙」です。

他にはない薄いグレーの用紙は、控えめで、目にやさしく、他の色を邪魔しません。

NEUE GRAY」ブランドサイトより引用

 
 
 
 
真っ白ではないグレートーンで光の反射を抑えて目に優しく、かといって「色紙」であることを感じさせない自然な存在感。
ボールペン(水性・油性)、万年筆、筆、スタンプなど、さまざまなインクとも相性が良く、にじみ・裏抜けしにくい仕上げで書き心地も◎
 
何から何まで叶えてくれる機能紙です。
 
*アルコール系インク(コピック®など)は不向きですのでご注意ください
 
 
 
 

オプションで選べる、洋白のしおり

 

 

*洋白のしおりは通常仕様では付属せず、オプションより追加できます。

 

 
 
 
手帖にはしおりは必須、だけどせっかく作るなら普通じゃつまらないということで、洋白の丸線でシンプルなクリップタイプのものを作ってみました。
 
洋白とは真鍮(亜鉛+銅の合金)にニッケルを加えた合金で、別に洋銀やジャーマンシルバー、俗に白真鍮とも呼ばれます。
少し黄みがかったニュアンス感のあるシルバーは、独特な美しさがあります。
 
真鍮よりも革や紙への黒ずみの色移りが少ないため、ここでは真鍮ではなく洋白を使用しています。
 
 
 
 
ぱっと開きたいページにそのまま挟むのはもちろん、その月のカレンダーとマンスリーの2ページをクリップすることもできるようになっています。
 
 
 
 
 
 
改めまして、「手製本の革手帖」は期間限定の受注制です。
オーダーいただいてから製本するためお届けまで少しお時間を頂きますが、受注期間後半にご注文いただいた場合でも年内にお届けさせていただきます
 
 
 
 

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