studio FAVORI(スタジオ ファボリ) studio FAVORI(スタジオ ファボリ)では革製品・布製品を一から手作りし、販売しています。経年変化が楽しめることで人気のタンニンレザーで、バッグや財布、ペンケース、名刺入れ、パスケースなどの小物までシンプルなデザインでお作りしています。ギフトボックスやラッピングもご用意しているので、プレゼントにもおすすめです。

循環について

↑写真は料理人のパートナーより、実際に牧場に訪れたときのものを拝借。彼と、この景色を作っている農家さんに感謝を。

 

 

革製品を見て、命を感じたことがありますか。

そうだったのだと、想像したことがありますか。

 

 

つい先日のイベント出展で、お客さんから革の模様が気になる(もう少し“きれい”なものが良い)、というお話をされて以下のようにお伝えした場面がありました。

「革も生きていた、命あった動物の一部ですから、個性があって当然なんですよ。」

 

それを聞いてそのお客さんは「生きてた?!なんかドキッとしちゃった。」とおっしゃいました。

そんな当たり前のことが想像にも及ばない人が、少なからず、もとい大勢いるのでしょう。

 

本革が合成皮革と違って天然素材だと知っている方は多いはずだし、何の革ですか?と興味をもって尋ねてくださるお客さんもそれなりにいらっしゃいます。それなのに、命の循環にはまるで興味が無い。

 

 

 

革という素材を得るために動物の命を奪っていると勘違いしている人も一定数いると思いますが、革は食肉の副産物です。

 

これを読んでいる皆さんもほとんどがお肉を食べるでしょう。

日々スーパーで簡単に手にしているそのお肉が、何時間か前まで当たり前に「生かされていた」ことを考えたことがありますか。

 

 

例えば牛さんの命を頂戴してお肉を頂いた後に残る皮はどうなるかなんて、一度でも想像したことがあるでしょうか。

太古の先祖もきっと一度は食べようと試みたのでしょうが適わず、燃やすこともままならず、どうにか生かすために着てみようと思った者がいて、袋に仕立てようと思った者がいた。腐食を防ぐために鞣しの技術が生まれ、磨かれ、受け継がれてきた。

 

人間は雑食だし、食物連鎖は自然界において至極当然な循環なので、お肉を食べることだって残酷ではないはずです。だから、そこから生まれた革製品も同様に。

 

 

 

人間の勝手な都合でランク付けされる肉牛は、生きるのに必要な分以上に餌を食べさせられるのだそうです。十分に運動もさせてもらえず、狭い牛舎に閉じ込められたまま、肥やされる。と殺直前、そういう牛たちは不自然な生活を強いられるせいで立っていられなくなり、終には失明することもあると。

 

人間って、なんで。だから嫌なんだ。

 

 

 

背景を知っていればこそ端革も簡単には捨てられないし、せめて私が作ったものはだめになるまで長く、長く使ってほしい。アフターケアをお受けしているのは、そんな理由からです。

 

これが自然の循環と理解できる脳があるなら、もう少しだけ選ぶことを、使うことを、捨てることまでも、大事に考えてみてもいいのでは。革製品に限らず世の中のすべてを。

 

 

なにかを正したいと言えるほど大きな力を持ち合わせてはいませんが、これを読んだ一人でも多くが気付きを得てくれたらと願うばかりです。せめて手の届く範囲だけでも、と。

 

そして一つでも共感してもらえる点があったなら、ぜひ身の回りの人にも教えてあげてください。知られざる、で済ませないために。

 

 

 

追記

 

興味が湧いてもう少し知ってみたいと思ってくださる方は、ぜひ「アニマルウェルフェア」と調べてみてください。きっとショックを受けます。

 

何も感じないとしても間違いとは言い切れないかもしれません。今ある“常識”は、少数派ではなく多数派によって築かれたものであることもまた、確かなのでしょうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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