手仕事雑記 | studio FAVORIの革ものに裏地がない理由
こんにちは。studio FAVORIのゆうです。
皆さま先日の関東の雪は大丈夫でしたか?🌬
積雪数センチでも舐めてかかったらいけませんね。
雪の日の徒歩は
- ふわふわの積もりたての雪の上を歩く
- 足を滑らせずしっかり上げて歩く
というのがポイントですよ〜
次からぜひ実践してみてくださいね💁♀️
早々に脱線しましたが、今日は制作の裏側(?)の話を少々。
なかなか伝わりづらい部分ですが、「裏地」についての記事です。
こういうニッチな内容こそ文章で伝えていきたいと思っているので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです🌞
目次
革の裏側“床面”を生かして仕上げる
革の裏面は専門的に“床面”と呼ばれます。
床面は無加工だと摩擦で繊維がぽろぽろ落ちてきてしまいます。
このため本革バッグの内側には、布地の裏張りが施されていることがよくありますが、studio FAVORIの革ものは裏地を付けずに作っています。
それでも上記のような現象が起こりにくいのは、床面を磨いて仕上げているから。
床磨きの工程では、レザー専用の磨き剤を必要箇所に薄く塗り広げてガラス板などで強めに擦ります。
圧迫しながら擦ることで毛羽立った繊維が寝て凹凸がなくなり、つやっとしてスムースな手触りに仕上がるのです。
当店で使用している磨き剤は、繊維の表面をコーティングすることで耐久性持たせる効果もあります◎
ひと手間加えることで、素材の良さをまるごと味わえる作品を目指しています。
あえて裏地を付けないという選択
鞄を作るのに裏地を付けてしまえば床処理の必要もなく、制作の効率が上がるのは確かです。
それでもstudio FAVORIの革ものに裏地をつけない理由は、使い続けて修理が必要になるリスクを減らすことを優先したから。
ほんの一時期ですが、学生のころにアルバイトで革製品のお直しをしていたことがありました。
その時に感じたのが、布製の裏地の劣化での修理案件が多いなということ。
これは本革という素材の潜在的な耐久性に対して布地がどうしても劣ってしまうこと、パーツが増えステッチが増えることで壊れる可能性のある箇所が増えることが原因でした。
寿命が10年と言われる本革に対して布地はそうではないし、ステッチがほどければそこから革製品が劣化していく。
つまり裏地をつけない=壊れる可能性のある箇所を減らすということになるのです。
もう一つ、studio FAVORIの革ものは決して高級品ではないということ。
布地がだめなら裏張りにも本革を使えばいい、という考え方もあります。
もちろん世の中にはそういう凝った革製品も数多あります。
しかし誰でも分かるように、表にも裏にも本革を使えば必然的にコストがかかることになりますよね🦧
私が作りたいのは、そういう日常から距離のあるものではないのです。
「革製品」である限り安価な雑貨に比べれば値が張ってしまいますが、かといってチープなものづくりがしたいわけでもない。
こだわる人が手に取りやすく、それでいて永く寄り添える絶妙な立ち位置。
studio FAVORIの革ものは“暮らしの道具”であってほしい。
そんな想いから裏地はつけず、磨きで仕上げる方法を選んでいます。
結び
裏地、床処理という少しディープな着眼点で書いてきましたがいかがだったでしょうか?
永く使われて愛着の中で革ものが育っていくことが作り手としての理想です。
裏地を付けない理由も、結局そこに行き着くんです。
そういうちょっとした背景を汲み取ってくれる方のもとにお届けできれば幸せだなぁと思います🍒
information
studio FAVORI初のイベント出展が決まっています。
たくさんの革ものをお待ちする予定なので、実際に手に取って見てみたいという方はぜひチェックを!
何もかもがはじめてなので、気合を入れて準備を進めています。
詳細は以下をご覧ください。
【HandMade In Japan Fes 冬(2022)】
期日:2022/1/22(土)、23(日)
時間:11:00~18:00
場所:東京ビッグサイト西1・2ホール
ブース番号《E-87》
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入場にはチケットが必要になりますので、お忘れなくお求めください🌝
はじめての対面での販売。
お手伝いくん🐕と私のふたりで両日ともお待ちしております。
作品を実際手に取ることの喜びを感じていただけるように頑張ります。
革ものもほとんどのアイテムをご用意する予定なので、ぜひ足をお運びくださいませ🏃♂️
online shopはこちらから◎
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