記録 | はじめての個展を終えて
こんにちは。studio FAVORI のゆうです。
今や幻となったあの個展開催から半月以上、やっとこの記録に手を着けました。
本当はもっと早くに新鮮なままの気持ちを書き留めておくべきだったはずですが、少しやりきってしまった感覚もあってこのタイミングになってしまいました。
今回の記事はあの3日間を過ごした感想と考えたことを赤裸々に書き連ねるだけです。ただ、それが私の内面の本質だったりはするかもしれません。
切っ掛け
これはほとんど断言できることだと思うのですが、私は多少なりともひとより考え性です。
この個展を決めたのも、あれこれと考えた結果でした。
ここ2年ほど積極的に各地のクラフトフェアに出展してきた中で、いつのまにか違和感を抱くようになっていました。
“studio FAVORIを真正面から見てもらえているだろうか”
大半はウィンドウショッピングみたいな娯楽としてstudio FAVORIを消費しているのではと。
これは決して悪ではなく、むしろ普通のことです(私もふらっと買い物するのは好きです)。
とはいえこの営みを表現の手段、生きる術として捉えてしまっている私には少し辛く、自然と見てもらうための新しい手段を探していました。
「個展」は他の要素を一切取り払った、それひとつを魅せるための手段。長年憧れだったその展示方法を、小さくとも確かに積み重ねてきた今こそ試してみようと思ったのでした。
個展「時を模す」を経て
それからの準備はとんとん拍子に進みました。
まずは主題。
1年近く前から構想して少しずつ形にしていた「革編みの飯行李」を出そうというのは、自分の中であっさりと決まりました。
個展を催すことと同じように、「“用”を少しだけ忘れて無邪気にやってみたい表現」というのも私の中では挑戦だったためでした。
開催前にも少し触れましたが、“時を模す”とは経年変化してきたもの(古道具や自然物)を革で再構成することの要約です。
革編みの飯行李を軸にいくつかの作品を展示しようと定まってきたあたりで、展示名も決まりました。
↑砂や泥の標本を模したもの
↑鉱石の標本を積み革で
↑用途不明の古い容器から型取りしたもの
もちろん決して最初から思い描いた個展というものが実現できるとは思えず、確実にチャレンジャーとして臨んだ企画でした。
それでも純粋な興味で「作りたい」と思ったものをつくれたこと、なによりあの日あの場所をめがけてお越しくださったひとりひとりと真っ直ぐに向き合ってお話しできたことが、この試みで実ったすべてだったと思います。同時にそれらは本当に私が欲しかったもの。
私とお客さまがお互いに個の人間として関わり合えることが、少なくとも現時点での目指すべき理想だと思っています。いつかは変わっていくとしても。
考えて試行してみた結果、また考えているところです。今後の動き方にも表れてくるのではないかと予想しています。
たとえこの営みが独りよがりなものだとしてもどこかで共感してくれる誰かのために続けていきたいと、今は思います。20代なんてまだ青なんだろうな。
結び
迷いなく一地点を目指して走るのは、きっと私にはできないこと。だからたくさん寄り道するのだろうけど、それも良しとして受け入れたい。
今年の夏から秋にかけていろんなことを予定しています。そのひとつひとつを大切に、堅実に作っていく所存です。どうか変わらず見守っていただければと思います。
出展情報はこちらに随時追記していますのでご覧ください↓
studio FAVORIの革もの、布ものの通販はこちらから◎
関連情報