手仕事雑記 | コバの仕上げを改良した話。
こんにちは。studio FAVORIのゆうです。
暑くなる前に少し痩せたくて、自転車通勤のところを徒歩通勤に変えてみました。🚶♀️
ほっとんど運動をしない生活なので、これだけでも変わるかなぁと割と甘く見ています。
今日の話題は、制作過程の中でも仕上げにあたる「コバ」の仕上げについて。
革好きな方ならピンとくるかと思いますが、知識のない方にも分かるようにまずはコバについて書いていきますよ〜〜
目次
「コバ」とは──つまり“木端”
コバとは何なのか。
コバは漢字だと木端と書きます。
非常にわかりやすい。
ようは革の切り口のことです。
もともとは文字通り木材の切り口のことを指していましたが、見た目も似ていることから同じ呼び名がついたそうな。
現在では、革業界の専門用語として「コバ」が使われています。
コバ処理の重要性
革製品の出来栄えを左右する大きな要素の一つがコバ。
コバにこだわることの利点は、製品自体の耐久性が高まるということがまず一つ。
そしてもう一つは、見た目が美しく仕上がるということ。
皆さんは、仕立ての良い革製品のコバを見たことがあるでしょうか?
革好きなラバーさんならば分かると思いますが、良い製品のコバは本当に美しいのです。
つやつや、ぴかぴか……もはや芸術。
一見やってもやらなくても変わらないような細かい部分に思えるかもしれませんが、ここに時間をかけるかかけないかで仕上がりに天と地ほど差が生まれます。
こちらは切りっぱなしのコバ。
そして以下の画像が磨きの工程を経たコバです。
違いが伝わるでしょうか?
磨いたほうは面がとれてなめらかになり、且つ艶が生まれています。
これだけで革のことをあまり知らない人でも、ぱっと見で「なんかいいな」「どことなくかっこいいな」と思えるような作品になります。
コバは、細かくてもとーっても重要な作品づくりの要素の1つなのです。
タンニンレザーに最適な“蜜蝋磨き”
そして今回の本題はここから(長くなってすみません…)。
studio FAVORIの作品のコバ処理方法を少し変えたよーというお話です。
簡単に言うと、磨き剤1種類で仕上げていたところを蜜蝋仕上げにすることに。
蜜蝋で仕上げるメリットは、
- より堅牢になる
- 変わらず経年変化が愉しめる
- 傷んでもボロボロ塗布剤が落ちてこない
などなど、たくさんあります。
色を塗り重ねるわけではないので、経年変化の楽しみもあるのはポイント高いですね(革好きとして)。
では蜜蝋でコバを仕上げたものを具体的に見てみましょう。
こちらは最新作の「横向きの二つ折り財布」のサイド部分。
だいぶつやっつやなのがお分かりでしょうか?
「クラシックな革箱ペンケース/筆箱」のスミクロも磨いてみました。
スミクロの深みに艶が加わって上品な印象ですね~ビジネスシーンにもより馴染みそうです。
こちらは人気の「真鍮引き立つキーリング」です。
淡色の革だと少し色が濃くなりますが、このコントラストもまた良し◎
見た目も耐久性もアップできて、コバの経年変化は相変わらず愉しめる……良いことづくめな蜜蝋磨き。
これからはしばらくこれで仕上げていこうと思っています。
お手にとっていただく機会がありましたら、ぜひコバにも注目していただけたら嬉しいです…🕺
結び
もはやフェチの領域とも言えるかもしれないコバの世界。
これまで全然知らなかったという人にとっても、新しい発見・革に興味を持つきっかけとなれば、是れ幸い。
私も日々腕を磨いていきます…!
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クラシックな革箱ペンケース 姫路レザー
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