本革取説 | 二つ折り財布の日常のメンテナンス
こんにちは。studio FAVORIのゆうです。
今月の静岡でのイベントに向けて制作に明け暮れる日々です。
次回のブログ更新では新作をお披露目できるように色々進めていますので、お楽しみに。
その前に今回の記事でワンクッション、愛用している二つ折り財布のお手入れの様子をまったりとお届けします。
皆さまの革もののお手入れの参考にしてみてくださいね~
目次
革もののメンテナンス時期
まずはstudio FAVORIで作っている革ものの、お手入れするべきタイミングについてお話ししておきますね。
当店で扱っている革素材は、基本的に製造過程でしっかりとオイルを含ませているものばかりです。
革の特徴、魅力については以下の記事からご覧ください↓↓
もともと含まれいるオイルの効果で当店の革ものは頻繫にメンテナンスする必要はなく、思っているよりも気軽にご愛用いただけます。
新品の革ものには日々使ってあげることが一番のお手入れになります。
しかし今回メンテナンスしたお財布は、使い始めて2年ほどになるもの。
使っていくうちにもともとのオイルだけでは間に合わず、人の肌と同じように革自体が乾燥してきます。
それを補うことで素材本来の耐久性のポテンシャルを引き出し、さらに美しい経年変化を促してあげるのが“日々のお手入れ”ということになります。
ラフに使える革ものも、1年~2年程度使った時点で様子を見ながらメンテナンスをしてあげるのが良いですよ。
*メンテナンス時期や以降ご紹介するお手入れ方法は当店の革ものを対象としています。
他店の革製品のお取扱いについては各ショップにお問い合わせください。
二つ折り財布のお手入れ
まずはお手入れに必要な道具を準備します。
ここでは最低限これだけあれば大丈夫、というアイテムたちをご紹介します。
ブラシもクリームもこだわりだしたら色々あるので、革ものメンテナンスにご興味ある方は調べてみてくださいね。
使うのは
- コロニル シュプリームクリームデラックス
- 馬毛の革製品専用ブラシ
- 柔らかいクロス
のたった3点。
これさえあれば当店の革ものは十分なお手入れができます◎
それでは早速始めていきましょう。
ⅰ.革ものの状態を確認する
最初に行うのはお手入れする革ものの状態確認。
状態によってメンテナンス内容も変わってくるので、大切な過程になります。
今回の題材の二つ折り財布、特に気になるのは正面の水染み。
おそらく洗って濡れた手で鞄の中のハンカチなんかを探したときに触れてしまったりしたのかなと思います。割とよくあるお財布の水染みの原因です。
(私の使い方がかなりヘビーなだけで、本来は染みができてしまったらすぐに対応するのが正しい取り扱いです。笑)
水染みには水拭き!というもとで、今回はお手入れの過程に水拭きが必要になりそうです。
ⅱ.固く絞った柔らかいクロスで水拭きする
状態確認で水染みが気になったので、まず全体の水拭きを行います。
(特に染みが気にならない場合は水拭きの過程は飛ばしてください)
しっかりと絞ったクロスで、こするのではなくとんとんと叩くように、必ず染み周りを広めに水拭きします。
染み部分だけをピンポイントで水拭きするとそれがまた輪染みになってしまう可能性があるため、染みを馴染ませるイメージで優しく行います。
ⅲ.完全に乾かす(自然乾燥)
染みが水拭きの濡れ色で馴染んだら、一旦完全に乾かします。
ドライヤー等を使用すると過剰に乾燥してしまうのでNG。
必ず自然乾燥でしっかりと乾かしてください。
革もののお手入れは焦らないことが大切です🧚♀️
ⅳ.ブラッシングする
完全に乾いたら、馬毛のブラシで丁寧にブラッシングします。
ここでは水拭きした部分だけでなく、お財布の内側を含めて全体にブラシがけします。
これによって一旦表面を整え、表面や隙間の細かい汚れを取り除きます。
ⅴ.ケアクリームを塗り、乾かす
ここからは仕上げに入っていきます。
使うのは前述したコロニルのシュプリームクリームデラックス。
革ものお手入れビギナーさんにもおすすめのさらりと扱いやすいテクスチャで、専用品としては香も良いです。
studio FAVORIの作品にはスムースレザーを多く採用しているので、さらさらと塗りやすく相性もばっちり🌸
ムラができないように極力薄ーく伸ばしながら指で直接塗っていきます。
ケアクリームは1、2年使用してオイルが抜けた革ものを保湿する効果があります。
お財布の外側、内側、隙間まで全体に丁寧に塗り込んだら自然乾燥させます。
ⅵ.ブラッシングで仕上げる
保湿後、完全に乾燥させたら仕上げのブラッシングを行います。
このブラッシングで、お手入れ前よりも全体に艶が出てきます。
革素材の魅力が感じられる豊かな時間です🌿
これにてメンテナンス完了。前後のお財布の状態をくらべてみました。
before
after
やはりほんのりと艶が増して、全体的に表面感が整って見えます。
気になっていた水染みもずいぶん馴染みましたね~
すぐに対応していればもっと違和感なく仕上げられたとは思いますが、それでもお手入れしないより断然いい状態に戻すことができました。
結び
二つ折り財布を題材に、革ものの日々のお手入れをご紹介してきました。
最低限道具さえそろえれば案外手軽にメンテナンスできます。
お気に入りのアイテムと長く付き合っていくためにも、時々整える時間を作ってみてはいかがでしょう?
それでも自分で本革に手を加えるのはちょっと自信がない…という方、studio FAVORIの作品に限りますが、私の方で日常のメンテナンスを承ることも可能です(別途料金)。
お気軽にご相談くださいね🎈
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