本革への本質的な愛おしさ
こんにちは。studio FAVORIのゆうです。
日々花粉との戦いですが、部屋に花を飾りたい気分なこの頃。
ミモザの季節だけど、このつらさを考えるとお迎えすることも悩ましい…花と鼻の葛藤………はい。
今回はあまり知られていない本革という素材ができる過程と、そこからうまれる本革への本能的・本質的な愛おしさのことを書きます。
多くの革職人さんが語り継いできたことだとは思いますが、革の真実を知らない人のために、これは伝えていかなければいけないことだと思っています。
本革という素材の大きな存在意義
本革という素材について、正しく知っている人はどれだけいるでしょうか?
本革がなぜ・どうやって作られているのかという真実をどこかで勘違いしてしまっている人は、案外多いことをつい最近実感しました。
“革”をつくるには、動物の“皮”が必要であることには、以前のブログでほんの少し触れています。↓
このことを理解している人は比較的多いかと思います。
しかし、この動物の“皮”は食肉の副産物であるということを知っていたでしょうか?
これは勘違いしている人も少なくない事実です。
なかには素材を得るためだけに、動物のいのちを戴いていると思っている人もいるようですね。
そうではなく、私たちが食材として頂いているお肉を得たあとで残る皮を、制作物の素材として使えるように加工している。つまり本革を製造することは、戴いたいのちを最後まで使いきるということに繋がっているのです。
もしこの原皮を利用せずに廃棄すると、それを処理するだけのコストがかかり、食肉の価格が高騰します。
さらには焼却処理をすることで温室効果ガスが発生し、地球環境にまで影響を与えることになります。
本革はとってもサステナブルな素材とも言えるのです。
サステナブル(Sustainable)は、sustain(持続する)とable(〜できる)からなる言葉。「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味があります。
生きていた証を愛でる
本革がそうしたいのちあるものだったことは、それ自身が表情で語っています。
牛さんも豚さんも、生きていれば人間と同じように皮膚にキズやシミができて、跡になって残ることがあります。
もちろんシワなんかもできますよね。
また、皮膚の下の血管の痕が浮き上がって模様のように見えることも珍しくありません。
そしてそれが加工されて本革となったあとにも、そのまま残ることがあります。
画像はほんの一例で、私はこれをすべてそれぞれの革の個性だと捉えています。
かつてはそれぞれが生きていて、各々の一生があったということ。
そのことがこうしたキズやシワに現れていると思っています。
時々お客さまから不良品じゃないですか?と聞かれることがありますが、studio FAVORIのそういう考えをご理解いただければ幸いです○
私たちと同じように生きていたんだなあ、仲間と喧嘩してケガしちゃったのかなあ、と思うと、なんだか愛おしく思えてきますよ。
結び
本革は、織られた生地のように均一で綺麗な素材ではありません。
でも実はとてもサステナブルな素材であるということ。
そしてその不完全さこそが、本革に対する本質的な愛着に繋がってるということ。
より多くの人にこの真実を知ってもらえたらいいなと思います。
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